校長通信「響きあう学校」

校長通信 響き合う学校 2015年11月号

H27年11月号

響きあう学校      安城学園高等学校だより2015.11.26(木)第150号

安城学園高等学校長 坂田 成夫

 【秋風のこどもが 新川和江】

 けさ 秋風のこどもが  林の中の小径を走ってゆきました。

 ちいさな足跡のように  草の花の 花びらがこぼれています

 花びらがなくとも 草は  実を結ぶでしょうか

 深まる秋に  ぱちんとはじけて見せられるでしょうか

 風はやがて大人になって  こんどは梢の色づいた葉をおとしに

 高い空を  いそいそ吹いてくるのでしょう

 秋のはじめに  こぼしてしまった花のことなど  もう思い出しもしないで

【今月の作者と詩 新川和江】 
 1929年茨城県結城市生まれ。西条八十に師事。生や愛の本質を柔らかな言葉で謳いあげ、力強い女性詩の流れを作りました。詩集・編詩集・少年少女詩集・エッセイ集等多数出版。室生犀星賞・現代詩人賞・日本童謡賞等など受賞歴も豊富。83年吉原幸子と「現代詩ラ・メール」を創刊。産経新聞「朝の詩」選者。本としては「お母さんのきもち」「人体詩抄」「わたしを束ねないで」など多数。代表作品として「わたしを束ねないで」 「いつもどこかで」「お母さんのきもち」「生きる理由」「それから光がきた」「記憶する水」など多数。今日、紹介した「秋風のこどもが」など子供を詠った詩も多くあります。

【安城学園105周年プレ記念行事 「夢のさなか~寺部だい一代記~」(朗読劇)を開催】
 11月23日,豊田市の市民文化会館で創立者寺部だい先生の生涯をたどる朗読劇「夢のさなか」が上演されました。100周年での刈谷、昨年の岡崎に続いて3回目の公演になります。演奏は愛知学泉大学オーケストラ、本校の弦楽部が担当、合唱は知立のパティオ合唱団、本校の合唱部、岡崎城西高校のコーラス部が担当しました。
「官尊民卑」「男尊女卑」の風潮が強い時代背景の中「人は誰でも無限の可能性を持っている」という強い信念の元、全身全霊をかけて教育に力を注いだ寺部だい先生の一生を、西三河を拠点に活躍する田中ふみえさんが感動的な朗読で紹介しました。当日は劇中曲の作曲者であるボブ佐久間氏が直接指揮するなど見ごたえ、聞きごたえのある舞台でした。創立104周年にあたる来年度は安城で公演を予定しています。
「わたしはほしい 海を越え行く 鳥の勇気を 翼ではなく 強い心を・・」。歌詞の中には貧しい暮らしの中でも夢をあきらめずに勉学に励んだ寺部だい先生の建学の精神が随所に盛り込まれています。
 
【全日本マーチングコンクール全国大会吹奏楽部銀賞受賞 朝日新聞11月22日朝刊記事】
 11月22日に行われた第28回全日本マーチングコンテスト(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)の応援に大阪城ホールへ行ってきました。高校の部には全国から選ばれた25校が出場し、レベルの高い演奏、演技を披露していました。18番目に出場した本校でしたが切れのある見事な演奏と演技で多くの声援を頂いたように感じました。ドキドキしながら17:30からの結果発表を聞きましたが、今年は銀賞でした。金賞には届きませんでしたが私の中では“よくやった”と最高の評価をしています。
 翌日の朝日新聞朝刊には大きく写真もついて本校の生徒のコメントが紹介されていました。「5年連続出場の安城学園高「感謝の気持ちで音(恩)返し」と叫んで演技をスタート。グラハム作曲の難曲「巨人の肩にのって」を演奏しながら、高速で隊形を変え、14人のトランペット隊が力強い響きで会場を圧倒した。
 昨年の大会は、ノロウイルスに集団感染、体調を崩しながら演技をした部員が多かった。ドラムメジャーの白金水結さん(3年)は「多くの方のおかげで、元気に戻ってこられた。感謝を込めて演技しました。」

【全国大会•東海大会で下記の部活動が活躍しました】※アンダーラインは全国大会です 
  陸上部  日本ジュニアユース選手権 瑞穂 2年白藤君 砲丸投2位 他入賞5種目(10/16)
  陸上部  東海新人選手権 岐阜メモリアル 優勝3種目 16種目 12名入賞(10/23)
吹奏楽部 中部日本吹奏楽コンクール 浜松アクトシティ 3位(10/10 )
  吹奏楽部 東海大会金賞 岐阜ふれあいドーム 全国大会出場決定 (10/24)
  弦楽部  全国学校合奏コンクール全国大会 銅賞 千葉県(11/14)
吹奏楽部 全日本マーチングコンクール全国大会 銀賞 大阪城ホール(11/22)
  陸上部  高校駅伝 東海大会女子14位(静岡 小笠山運動公園)(11月22日)
  女子バスケット 皇后杯と東海選手権 準優勝 岐阜ヒマラヤアリーナ(11/21)

【北風と太陽 〜テロや紛争で亡くなった人を追悼する〜】
 11月13日におきたパリの同時爆発テロは痛ましい事件でした。ロシア機の爆発もテロによりものだと報道されています。そしてその後も世界各地で爆発テロは起きています。“やられたらやりかえす“と形になっているようですが本当にどうなっていくのか、心配です。イソップ童話の「北風と太陽」を教訓とするならもっと別の方法があるようにも思います。長い眼でみると世界の人々が、繋がり、仲が良くなって行く方向しか、解決しない問題だと思います。国際連合の強い指導性と役割が問われています。 世界で紛争がなくなる世界を見据えてできることをしていきたいものです。テロや紛争で亡くなった人を追悼しましょう。想うことが追悼になり、平和を引き戻すことになります。

【新聞のコラム「わたしたちは水」11月21日長崎新聞掲載コラム】
 大村市の詩人、高塚かず子さんには水をテーマにした作品が多い。H氏賞を受賞した「生きる水」や「天の水」の詩集名からも水にこだわる姿が見えてくる。命をはぐくむ水だから、だろう▲幼いころ祖母と島に暮らした高塚さんは「生きる水」の巻頭を飾る「水」という作品で、甕(かめ)の水を柄杓(ひしゃく)で飲むたびにむせた思い出と祖母に言われた言葉をつづっている。「水にも骨がある。噛(か)むように飲みなさい ゆっくり」。大切な水。だから味わって飲みなさい、という教えでもあったのかもしれない▲墓が掘られ、水になっていた死者を見た少女の中に、水のめぐりという、詩人の根幹が形づくられた。「水はわたしたち/わたしたちは水」。末尾の断定が美しい▲その高塚さんの、水を題材にした詩6編が池辺晋一郎氏によって作曲され、混声合唱組曲「水の旅」としてこの14日、金沢市で初演された▲10年前に石川県合唱連盟から依頼を受け現地で想を練り詩作。その自然や風土を壮大に歌い上げた▲題名となった「水の旅」では、白山の雪や兼六園の雪、天に張られた弦と響き合う水が歌う。「うまれたところは/かえるところ/幾度でもまたはじめよう/生きることを」。わたしたちは「ひとつらなりのすべてのいのち」の一つ。父母はもういないが、故郷の山河に会いたくなった。(雅)

【11月の読書「鹿の王上•下(角川書店)上橋菜穂子」1950円】 
 本年度の本屋大賞一位の作品です。本屋で一番目立つ所においてあり、店員さんが書いたお薦めの文章で購入した本です。夏休みに読みました。一つの物語の中に国とは、人とは、命とは、など考えさせられることが多く詰まった作品です。史実ではないと付記してありましたが生命の本質や医療の問題、国や民族の紛争など歴史をよく書かれており、“面白い”の一語です。中味は是非、手に取って読んでみて下さい。上橋菜穂子さんは優れた書き手だと感じました。他の作品も読んで紹介します。

【12月の主な行事】
 12月1日(火)〜12月4日(金) 第四回定期試験
 12月7日〜9日 40分6限授業
 12月10日〜11日 40分4限授業
 12月10日(木)生徒総会 体育館 
 12月11日(金)2年生弁論大会 体育館
 12月14日〜15日 全学年オープン球技大会 体育館
 12月16日〜18日(金)保護者会1年、2年 担任面接3年
 12月21日(月)終業式
 12月21日(月)〜26日(土)追試験•基礎補習•
 12月22日)〜26日(土)実力補習
 12月25日〜28日 気仙沼、大船渡演奏会 【弦楽部】
 12月26日〜29日 気仙沼•陸前高田ボランティア 【野球部、サッカー部】