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校長通信 響き合う学校 平成28年度1学期始業式式辞

平成28年度1学期始業式式辞  

 「はずむ春 命輝け 学園生」

 おはようございます。 桜の花が咲き誇り、春の雨とともに散りつつあります。  新しい年度が今日からスタートします。皆さんにとってよい1年であることを願っています。

 最初に2年生・3年生の皆さんへお願いしておきます。  昨日、入学式がありました。466名が今年の新入生です。新入生の皆さんが早く学校に慣れるよう、先輩として細かな気遣いをして下さい。そして高校生活の送り方についていろいろとアドバイスをしてあげて下さい。よろしくお願いします。

 今日は最初に新学期を始めるに際して各学年別に心構えを申しあげておきます。  まず新1年生、高校生活は人生にとって大切な3年間です。人間は誰でも無限の可能性を持っています。勉強に、部活動に、自主活動に、そして安城学園でしか経験できない行事等に積極的に挑戦、参加して下さい。挑戦しなければ可能性を拡げることはできません。自分の可能性に壁をつくらずに、挑戦して下さい。  2年生の皆さん、目標をはっきりと定めて、その目標に向かって挑戦して下さい。毎日の授業を真剣に受けることはもちろんですが、英語検定や漢字検定、数学検定、商業科の検定など各種資格試験にも積極的に挑戦して下さい。資格は皆さんのその分野での評価に繋がっていきます。  2年生の過ごし方でほぼ進路の方向づけは決まってきます。大変重要な1年になります。部活動や自主活動でも中心的な活躍が期待され、忙しい一年になると思いますが覚悟して、学習に、部活動に、自主活動に挑戦して下さい。

  3年生の皆さん、最上級生になります。すべての行動で、学習、部活動、自主活動、そして学校内外での挨拶、交通マナー、自転車や電車での乗車マナーに至るまで最上級生の自覚をお願いします。そして新入生や新2年生をリードしていって下さい。伝統や校風を作り出す責任は最上級生である3年生にあります。卒業していった先輩の皆さんからのバトンをしっかり受け継ぎ、今まで以上に全力で何事にも挑戦する安城学園の伝統、校風を発展させて下さい。  3年生の皆さんには受験生であることを強く意識して、毎日の勉強に全力で取り組むことを期待します。10代で必死に勉強する時期は中学3年と高校時代、そして大学1年、2年だと思います。本当に良く勉強した、とあとで振り返ることのできる1年を創り上げて下さい。  一生懸命に勉強した、努力した、その経験は大人になったとき、必ず生きてきます。それはすべての学年の皆さんに共通しています。

 「世界で最も貧しい大統領」の話は昨年、2年生には総合学習の授業で話しています。幸せとは何か、を考えるよい教材だと思います。その「世界で最も貧しい大統領」と言われる南アメリカのウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領(80才)が4月5日からある出版社の招待で日本にきています。今日の朝刊各紙にも紹介されています。ムヒカ前大統領は昨年退任するまでの5年間、大統領公邸には住まないで、校外にある自宅兼農場に住み、給与120万円の9割を貧しい人々のために毎月寄付し、月額約12万円ほどの給料で生活している大統領、として知られていました。
ムヒカ前大統領を世界的に有名にしたのは、2012年にブラジル・リオデジャネイロで開かれた地球サミット2012で行なわれたムヒカ氏の演説です。現在の消費増大社会を痛烈に批判したあと、世界から集まった代表に“世界はより便利で、より豊かな社会になったが、私たちは幸せになったのか”と問いかけました。そして“貧乏とは少ししか持っていない事でなく、無限に多くを必要とし、もっともっと欲しがることです。”“今の地球の危機の要因は、環境の危機ではなく、政治の危機なのです”そう発言しています。明日8日の夜にはTV番組で池上彰さんとの対談が予定されています、タイトルは「日本人は本当に幸せですか」です。何が幸せで、何が幸せでないのか、私たちは考える必要があると思います。もし、時間があったら是非みて下さい。  日本は幸せな国かどうか、2016年度の「世界幸福度調査結果」が3月20日に発表されています。今年、「世界で最も幸せな国」に選ばれたのはデンマークです、2位がスイス、3位がアイスランド、そして4位以降はノルウェー、フィンランド、カナダ、オランダ、ニュージーランド、オーストラリア、スウェーデンという国でした。アジアではシンガポールが22位、タイが33位、台湾が35位、マレーシアが47位、韓国が58位。そして中国が83位でした。その他の国ではアメリカは13位、ドイツは16位、イギリスは23位、ロシアは56位でした。  157ヶ国中、153位はベナンという国(アフリカ)という国、154位は留学生ロヤアジミさんの国アフガニスタン(アジア)、155位はトーゴ(アフリカ)、156位は今年内戦が6年目に入るシリア(アジア)、157位はブルンジ(アフリカ)この国も13年間も内戦が続いた国です。残念なことですが、政治が不安定であったり、戦争や内戦状態にある国がすべて下位になっています。  日本は53位です、子育てがしやすい国かどうか、医療費が高いか、安いか、教育費にお金がかかるかどうかが、こどもやお年寄りが大切にされているかどうか、自然がたくさんあるかどうか、発言の自由度が高いか、低いか、などいろいろな指標に基づいて計算されています。  今年の夏の参議院議員選挙から3年生の一部の人に投票権が付与され、投票できる人もでてきます。憲法問題をめぐって、たぶん考えることになってくると予想しています。政治の最も大事な仕事は国民を幸せにすることと他国と戦争をしないことです。世界で一つの国でも戦争状態がある限り、本当の幸せはない、と思います。  幸せとは何かを考えながら、世界中の人が幸せになるようにやれることをやっていきたいと考えています。  今日の始業式で皆さんへのお願いは2つです。一つは挨拶です。朝出かける時に「おはようございます」「いってきます」家族を送り出す時は「いってらっしゃい」帰ったら「ただいま」「おかえりなさい」感謝する時は「ありがとう」寝る時は必ず「おやすみなさい」を言いましょう。学校だけでなく、家庭や社会で挨拶することを心がけて下さい。「挨拶は社会を生きる切符のようなもの」創立者寺部大先生の言葉です。  もう一つは本を読むことです。言葉や知識を獲得し、自分を取り巻く他者を、多くの命の有り様を、広く深く理解するために本を読むことは重要です。そして創立者の言葉、「夜、寝る時に自分の本も読みなさい」自分の本を読むこと忘れないで下さい。「真心」「努力」「奉仕」「感謝」の4大精神を毎日の生活の中に生かし、勉強に全力投球して下さい。部活動でも最高の準備、最高の成績を目指して下さい。「安城学園の三つの挑戦」不得手なものへの挑戦、得意なものをさらに得意にする挑戦、未知なるものへの挑戦、にも取り組んで下さい。   自分を変えるためには、決意や想いが必要です。平成28年度という1年をどんな年にするのか、何をやりきるか、決意し、想いを強くし、スタートし、挑戦して下さい。一人一人にとって、飛躍の一年、成長の一年になることを、願って1学期始業式の式辞とします。                

                  平成28年4月7日 安城学園高等学校長 坂田成夫