校長通信「響きあう学校」

校長通信 響き合う学校 平成27年度2学期始業式式辞

平成27年度2学期始業式式辞  2015.9.1

みなさんおはようございます。
今朝も交差点で立って皆さんに挨拶をしていました。おはよう、と声をかけるとおはようと元気に返してくれる生徒もいます。久しぶりだね、と声をかけると久しぶりですね、と返してくれる生徒もいます。2学期も頑張って下さい、と声をかけると、頑張ります、と返してくれる生徒もいます。応答性の大切さを感じます。
 岩手県の大船渡へ出かけた時に大船渡市役所へ合唱部の人たちと市長表敬訪問をする機会がありました。最後に合唱部の人たちに歌を歌わせて頂く予定をしていましたが,市長さんが急遽、会場をロビーにしようと提案して頂きました。70人から、80人の職員の人が起立して聞いていただき、2曲歌わせて頂き、終わった後の拍手は鳴り止まないかと思うほどの拍手でした。合唱部の皆さんにとっては忘れられない思い出になったと思います。これも応答性です。2学期を送る際のヒントにして下さい。
 夏休み中、大きな事故も無く、このように皆さんが元気に揃って始業式ができますことを嬉しく思います。そして皆さんの夏休み中の補習を含めた勉強に対する頑張り、部活動での頑張り、そして生徒会が中心になった自主活動の頑張り、ボランティア活動での頑張り、被災地支援の頑張り等に対して敬意を表します。部活動では悔しい思いをした部や人もいると思いますが、同じ気持ちです。次を頑張って下さい。
 今日から始まる2学期を、どう送るかを皆さんは考えてきていると思います。大切なことは目標をたて、それを達成するために全力を尽くすことです。
 私は昨年に引き続き、夏休み中の日数だけ、本を読むという目標を立てました。今年は44冊です。8月の29日と30日に東京にいましたが、その2日間で最後の4冊を読みました。正確には最後の一冊は新幹線の車内で読み終えました。本を読む、それだけの目標ですが、充実した44日間になりました。
 目標を立てれば毎日の生活が変わってきます。時間はないようで工夫すれば生まれてくるものです。
2学期も、学習に、部活動に、自主活動に、それぞれ挑戦するものを見つけ、“今までの自分とは違うぞ“という気概をもって、目標達成に向けて毎日、毎日を充実した日にしていって欲しい、と願います。
 学習では、授業に真剣に取り組む、特に授業の前の予習に取り組むことを目標にして欲しいと願っています。
予習をすることによって、授業の理解度は確実に変わってきます。
 部活動では高い目標を設定して努力して欲しいと願っています。部員全員の心を一つにして高い目標を達成して下さい。
 秋にも多くの部活動が県大会、東海大会、全国大会へつながる大会を控えています。野球部が秋期リーグ戦で西三河で優勝したことも夏休みの嬉しいニュースの一つでした。県大会が全国につながっています。期待しています。
 自主活動からも多くのものを学ぶことが出来ます。今月末に控えている学園祭への取り組みは多くのものを学ぶ絶好の機会になります。楽をする方向でなく、苦労する方向で、汗を流す方向で、リーダーを助ける方向で、一人一人の取り組みに、クラスの取り組みに期待しています。
 国の動きでは現在審議中の安全保障関連法案が参議院で可決される可能性が強まってきています。この法案が通ると、今までの国の安全保障政策が大きく変わってきます。今までは憲法9条のもとで専守防衛ということで他の国から攻撃されたときのみに自衛隊は武器を使用する事が許されていました。しかし、今回の法案では他国への攻撃でも、日本の存立を脅かす事態と判断した場合には、武器を使用することができるようになります。
 国の将来を決める大切な問題です。国民の声をよく聞いて審議を進めて欲しいと強く願っています。皆さんも今まで以上にニュースを見て、聞いて、新聞をよく読んで、この国の形、行方を考えて下さい。
 今年は戦後70年の年にあたります。8月15日をはさんでTVでも、新聞でも、今まで以上に特別番組や特集が組まれていました。
 今、日本は戦争を知らない世代、日本の過去を知らない世代が多くなってきています。
 皆さんは戦争体験者の話を聞ける最後の世代だと言われています。学園祭では戦後70年をテーマに取り組むクラスが多くあります。生徒会も学園祭のメインテーマとして戦後70年を掲げています。戦争体験を聞ける機会があったら無理をしてでも聞くようにしてください。必ずや、考えさせられることがでてくると思います。
 夏休みに読んだ本の一冊にベトナムの写真家でディン・Q ・レ氏の「明日への記憶」という本があります。ベトナム戦争とは何だったのか、今一度、考えてみたいと考え、読みました。他にもベトナム戦争関連の本も何冊か読みました。
 1960年から1975年までの16年間続いたベトナム戦争は私の中学時代から高校、大学、教員になってからも続いたベトナムという国を舞台にした戦争です。死者の数はベトナムの人だけで200万人、親を亡くした子どもの数は80万人、孤児になった数は30万人、枯れ葉剤散布による被害者の数は100万人以上です。多くの人を傷つけ、多くの人を悲しませるのが戦争です。写真集を見ながら、本を読みながら、あらためて戦争が引き起こす非道さについて考えました。
 何も知らない、無知であることは恥ずかしいことではありません。勉強すれば無知でなくなります。問題は無関心であるということです。無関心であることが人を悲しませ、傷つけたりします。
 思いを馳せる。いろいろな人が何を考えているのか、どんな思いでいるのか、一つの判断が、一つの行動が、みんなにどう影響するのか、思いをはせることが無関心でなくなるということです。
 勉強すること、本を読むこと、世界を拡げていくこと、そのことがいろんなことに関心を持つ大人、無関心でない大人になっていきます。
とりわけ、本を読むことは重要です。高校時代に本の読むことの楽しさを知って卒業するか、知らずに卒業するか、人生が変わってくると思います。是非、本を読むことに全力投球して下さい。
 図書室には安城学園高校の100冊というコーナーがあります。高校時代までに読み切って欲しい本100冊です。本を選ぶ時の参考にして下さい。
 夏休みに中学生向けの学校見学会がありました。皆にも協力して頂いたことを感謝します。そこで中学生に向けて高校時代の大切さを話しました。
 高校時代は人生にとってとても重要な三年間。高校時代の毎日の送り方が、365日×3年間が、みなさんに人生に繋がっていく。毎日、毎日や学習や体験が、何を学んだのか、世界を拡げたのか、壁を乗り越えた体験をしたのか、何を経験したのか、それらがすべて皆さんに人生になっていく。そのことを強く自覚して毎日を送って欲しい。
鳥は跳び方をかえることはできない。動物ははい方や走り方を変えることはできない。でも人間は生き方を変えることが出来る。決意することで。
 2学期が皆さん一人一人にとって素晴らしい学期になることを願っています。
 3年生の皆さん、皆さんにとっては最後の勝負の学期になります。悔いない日々を創りだしていって下さい。全力で生きる日々にして下さい。
                          平成27年9月1日 安城学園高等学校長 坂田成夫

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