校長通信「響きあう学校」

校長通信 響き合う学校 平成27年度1学期終業式 

平成27年度1学期終業式 2015.7.17

おはようございます。今日の話は「心遣い、思いやり、思いを馳せる」です
15日と、16日(一昨日と昨日)、国会は安保法案をめぐって騒然とした2日間でした。騒然とするのは当たり前で、憲法違反だと指摘される法案を国会が通して行く、しかも方法が強引です。丁寧に、丁寧に国民の声を聞いて行く手続きに欠けています。全国でも沢山の人が心配して、抗議して、集会やデモが行われています。私も非常に心配しています。安保法案成立がいいのかどうか。
7月、8月はこの法案をめぐってさらに激しく世の中が動いて行くと思います。
 この国の形、この国の行方がこの2ヶ月で決定していきます。今まで以上にニュースに関心を持ち、今まで以上に、新聞を、本を読んで下さい。今国会で18歳以上に選挙権が付与されました。チャンスです。主権者として、この国の主人公の一人として、選挙権を獲得したら投票に是非、でかけて下さい。それが政治に参加するということです。
 保護者会中に皆さんの通知表に、校長印を押させて頂きました。一人一人に頑張れ、頑張れと声をかけながら毎回校長印を押しています。
 担任の先生からの所見もすべて読ませて頂きました。皆さんの1学期の頑張りと課題がよく分かりました。
 1学期、まちの人から嬉しい電話をいくつか頂きました。まず野球部の皆さんに対してです。グランドの近くで車が溝に落ちたことがあったそうです。そのとき、みんなで車を持ち上げ、出してくれたという感謝の電話がありました。
 南安城駅下車の人で、重い荷物を電車の外まで運んでくれた生徒さんがいたと電話を受けました。
 小さい子が自転車で転んで、怪我をしたら、ドラッグストアーで包帯まで買って手当をしてくれた人がいました。小さい子がどうしてもお礼を言いたいといって学校に電話がきました。あとで3年生のある人だとわかりました。
 電車で席を譲った人、通学途上でゴミを拾った人、横断歩道でおばあさんに手を貸してあげた人、お礼の電話がありました。
 一例ですが、皆さん喜んで電話をかけてきてくれました。
 心遣い、思いやり、思いを馳せるという行動です。人間はそうした生き方をすべきです。
 昨日、ある生徒と話をしました。よくお母さんと喧嘩をしてしまうそうです。お母さんを悲しませない、それが親孝行だと伝えました。
 1学期、部活動でも皆さんはよく頑張っていました。これも親孝行です。
 1学期、応援にでかけたのは陸上と女子サッカー、男女バスケット、野球、そして吹奏楽部のみです。応援にでかけることができなかった部活動の皆さんに申し訳ない気持ちで一杯です。
 応援は絶対に必要です。忙しいという人がいますが、みんな何かを優先しているのです。応援し、応援される、心遣い、思いやり、思いを馳せることから生まれる関係です。
 夏休みにもたくさんの試合があります。是非、応援に出かけて下さい。私も出来る限り、応援にでかけます。
 先日、行った学習時間調査の結果が昨日の職員会議で発表されました。勉強時間ゼロの人が少なくなったという報告がありました。どんなに大変な部活動に参加していても、勉強時間のゼロはないということを肝に命じて下さい。
 一日10分でも1年にすれば3650分、61時間になります。一日1時間勉強すれば365時間です。3時間なら1095時間です。時間をつくるものです。
 高校生はがむしゃらに勉強する時代です。夏休み、部活動に入っていない人はとことん勉強、部活動との両立をしている人は時間をつくって勉強して下さい。期待しています。
 今年の広報誌彩雲には「朝、起きたら家の前を掃除する」という話を書きました。ヨーロッパでは朝、起きて最初にやる仕事は家の前の掃除をすることだと聞いた事があります。私が22歳の頃、ヨーロッパを旅行している時にガイドをしてくれた現地の人から聞いた話です。
 なぜ、朝、起きて最初にやる仕事が家の前の掃除ですか、と尋ねたら不思議な顔をして答えてくれました。家の前を通る人に気持ちよく歩いて頂くために掃除をする、それは当たり前のマナーだ、ということでした。
 日本ではまず、最初にするのは家の中の清掃で、家の外の清掃は後廻しになっているように思えたのでこの話は新鮮でした。しかも納得できる話でした。
 家の前の掃除は、挨拶と同様に他の人への心遣い、思いやりの一つの表現です。そして周りの人を元気にする表現です。
 朝、起きたら家の眼を掃除する、皆に挨拶する。苦しんでいる人、悩んでいる人には手を差し伸べる、周りの人に対して優しくする、そうした心遣い、思いやり、思いを馳せるということが今の社会で欠けてきているように思います。
 心遣い、思いやり、思いを馳せるということが人間の教養です。学校で学んで行くということは心遣い、思いやり、思いを馳せるということを勉強して行くという事でもあります。
 時々、立ち止まって 心遣い、思いやり、思いを馳せると言う点で自分がどこまで到達しているか、振り返ってみることも大切です。
 朝、起きたら家の前を掃除する、それは人間としてこころがけるべき大切な生き方だと私は思います。心遣い、思いやり、思いを馳せることが 戦争を防止する最大の 抑止力です。
 そう思います。
 今年の夏も、私は一日、一冊、本を読む事を決意しています。今年の夏は45日間なので45冊です。
 何かをやり遂げた、そんな夏休みにしたいと思います。
 勉強して下さい。本をよんで下さい。ボランティア、家の手伝いをして下さい。
 映画も観て下さい。「バケモノの子」、「日本の最も長い日」夏休みのおすすめの映画2本です。
 陸上部、女子バスケット部の全国大会頑張ってください。野球部の皆さん、夏の大会てっぺんめざして下さい。安城から甲子園、夢を掴んで下さい。
 頑張って、頑張って、みんな自分の可能性に挑戦して下さい。挑戦しなければ何も始まりません。誰でも無限の可能性をもっている。挑戦する夏に期待しています。
 今日も静かに聞いてくれてありがとう。
                         平成27年7月17日 校長 坂田成夫